「おかま」

高田小学校1年の時、
僕はよく、1人の女の子から
おっかけられていた。
小学生くらいの年代では、
良くある風景だ。

ある日の校庭。
僕がいつものように、大人しく
その子におっかけられていると、
2年生の人に声をかけらた。

体格が良くて怖そう。
僕も彼女もぴたりと立ち止まる。

「おい。おまえあいつのこと、おかまだと思うか。」

「…オカマ?
そうか。『お釜』のことだ。
んー、まぁそういえばこの女の子の顔は
マルや三角というよりは四角だから、
お釜に近いかも。」
瞬時にしてそう判断し、
ゆっくりと、かつしっかりと、
僕は力強く頷いて見せたのである。

「先生にいっちゃうからー!」
彼女は怒り狂い、
2年生は高らかに笑いながら去っていった…。

その後、わけもわからないまま、
僕は彼女に平謝り。

「日本語ってむずかしいなぁ。」
1年生の僕はふと、そんな思いにふけったのである。
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