「恐怖の夢体験」

幼稚園生の時
こんな夢を見た。

家の近所に、見たこともないアパートがあった。
僕はふと、その中の一室に入った。
薄暗い部屋、ひんやりとした空気。
雰囲気はまるで霊安室。

中央に、人一人歩けるほどのスペースを残して、
その両脇にふとんがしきつめられていた。
真っ白なふとんだ。

よく見ると、ひとつひとつのふとんの中には
幼稚園の友人がいた。
例えばサクマストアの近くに住んでいた
K君やN君がいた。

声が聞こえてきました。
部屋に静かに響き渡る、地を這うような声。

「…ころせー、…ころせー…」

パッ、とシーンが変わり、
僕はスーパータワー脇の橋を
母の自転車の後ろにのって渡っていた。
母は歩いて自転車を押していた。

あまりにまぶしい夕日が
ちょうど母に隠れていて、
母の姿はシルエットでしか確認できない。

ちょうど橋の真ん中で、
母は友人とばったり会い、
お喋りを始めた。

「今しかない。」
僕は、後ろ手に隠していた包丁を
ゆっくり、高だかと掲げた。
「だって、こうしないと…」

そして包丁をいよいよ振り下ろした
ちょうどその時、
…僕は夢から覚めた。
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