Yahooのニュースで、以下のようなものがありましたので、今回はその紹介とします。
「地域社会」の重要性は、今後増す増す認知され、多くの地域でそれに関わる活動やビジネスが
見られるようになってくるのだろうと思います。(以下、引用)

<連れ去り事件>「地域社会崩壊」で頻発

15歳以下の子供が連れ去られる事件が今年、全国で相次いでいる。警察庁の調査では、
10月15日までで略取誘拐事件(疑いのある事案、未遂を含む)は32都道府県で126件に達した。
20、30代の若者がわいせつ目的などで子供を連れ去る傾向が現れている。
社会学者らは「弱者をいじめて喜ぶ」若者世代に「地域社会の崩壊」を危惧(きぐ)し、
学校を地域社会再生の柱にしようと提言している。連れ去り事件の背景と防犯対策の現状を追った。【窪田弘由記】

◆狙われる夕方

今年1月から10月までの間の連れ去り事案は全国で126件発生し、未遂を含めて計139人が被害にあっている。
うち少女が107人を占める。年齢別では最も狙われたのは小学生で90人。未就学児も26人、中学生は19人いた。

都道府県別では大阪府が20件と断然多く以下、埼玉11件、東京9件、神奈川8件と首都圏での被害が目立っている。

警察庁はこれら被害者の証言から発生時の状況を分析した。
狙われた時間帯は「午後3〜6時」が58件と最多で、学校が終わり自宅へ戻るまでの時間に集中していた。

発生場所を詳しく見ると「学校から離れた路上」が68件と過半数を超えた。一見、人目に付きそうな
「公園」「スーパー」でも各10件起きており、死角の多い「駐車場」でも8件あった。

被害にあったときの子供の状況としては「下校中」(34人)▽「帰宅途中」(23人)▽「登校中」(13人)など、
移動している間の被害が際立った。発生場所が「通学路」だった児童・生徒も57人おり、
必ずしも学校が指定した通学路などが安全とは言えないことを示している。

また87人は「1人でいる状況」だったといい、単独行動の危険性が改めて浮き彫りになった。
実際に連れ去られた87件の分析では「だまされるなどしてついていった」ケースが過半数(44件)を超えた。
有無を言わさず「いきなり連れ去られる」事案(38件)も多かった。

保護されるまでの時間では、半数近い40件は「1時間未満」だったが「2日以上」にわたるケースが
10件にも上っている。発生場所から保護された場所までの距離も、40件は500メートル未満と近場だったが、
14件は10キロ以上も連れ去られていた。

◆20、30代が犯行の中心に

検挙者は未遂も含めて73人。このうち主犯格の69人を分析したところ、20代が27人、30代が18人で、
若い世代が犯行の中心になっていた。

動機面では「わいせつ目的」が41人と最多。「好意を抱いた」の22人を合わせ、何らかの性的欲求を
引き金とした連れ去りが大半を占めた。自動車、オートバイ、自転車など6割強が車両を使い、
中でも自動車を使用した容疑者(25人)が最多で、広域に渡って少女などを標的として狙っている様子をうかがわせる。

頻発する連れ去り事件を、社会評論家の赤塚行雄氏は「弱者をいじめて喜びを感じる倒錯者が
どこに潜んでいるか分からない、薄気味の悪い社会になった」と嘆く。「今の若い世代の多くは、
地域全体で子供を大事にするという環境とは無縁で育ってきた。性の対象など子供を異質な目で
見る若者が出てきた背景はそこにあるのではないか」という。

一方で「地域社会の崩壊は、子供を守る目の弱体化にもつながり、妄想を実現したいと
願う者の背中を押してしまっている」とも指摘する。

事件に対処するにはどのような視点が必要なのか。財団法人「都市防犯研究センター」の
樋村恭一・主任研究員は「『防ぎようがない』『たまたま運が悪かっただけ』ではなく、
例えばどうしてその場所で被害が発生したのか、きちんと検証することが必要。
一つでも原因を浮かび上がらせることが次の事件を防止する大事な材料になる」と話す。

◆防犯は学校と住民の連携

樋村研究員は予防策として3本の柱を挙げる。1点目は「学校を地域社会の中心的な存在にする」。
「大事なのは物理的な開放ではなく、犯罪から子供を守る機能としての開放。学校と住民が連携し、
子供を守る目を強まめば防犯に有効」と見る。

2点目は、防犯教育の充実。周りが注意しても子供本人の意識が希薄では効果はない。
「自己防衛の意識を高めるプログラムを教育に導入することが大事だ」と提言す
る。

3点目は、地域社会の弱さを補うための「ネットワークの有効活用」。不審者の情報は、
即座に学校や幼稚園、保育園に提供。携帯電話が一般的になった現在は、保護者の携帯電話への
情報提供を即座に行うことで、親の意識も高めることができるという。

事件をきっかけに各地の県警、自治体も防犯活動に取り組み始めた。

神奈川県警では、今年から「サイバー・スクール・ポリスネット」(仮称)の試験運用を始め、
現在横浜、横須賀両市などで運用している。電子メールを活用し、警察から教育委員会を経由して、
教育機関に情報を提供するシステムだ。

新潟県村上市では今年9月、下校途中の中3女子生徒(15)が男に車で連れ去られ、
11日間にわたって監禁される事件が起きた。事件後、市は市内の全小中学生約2700人を対象に、
防犯ブザーの購入や全地球測位システム(GPS)を使った位置情報サービスへの加入を推奨。
1人あたり300円の補助金を出す方針を打ち出した。

GPSサービスは、子供が危険な目に遭った時、携帯端末のボタンを押せば、警備会社に信号が送られ、
緊急事態が察知されるシステム。電源が入っていれば、子供の居場所を常に把握することも可能だ。

福島県の須賀川市教委は女児が連れ去られる事件があった9月以降、(1)「子ども110番の家」など地域、
保護者とのタイアップ(2)不審者情報の共有化(3)学校ごとの安全マニュアルの見直しを柱とする安全確保対策を進めている。

また、不審者や児童への声掛け事件を把握した学校は必ず警察、市教委に通報し、
市教委は逐次、その情報を市内の全小中学校と幼稚園などにファクス送信し、
警戒を呼びかける態勢も確立した。【窪田弘由記、太田穣、鳴海崇】

◇15歳以下の子どもを対象とする略取誘拐の都道府県別発生件数(2003年10月15日現在、警察庁調べ)

北海道3▽青森3▽岩手1▽宮城0▽秋田0▽山形0▽福島1▽茨城7▽栃木1▽
群馬4▽埼玉11▽千葉5▽東京9▽神奈川8▽新潟2▽山梨1▽長野2▽静岡5▽富山2
▽石川1▽福井0▽岐阜2▽愛知4▽三重1▽滋賀0▽京都4▽大阪20▽兵庫3▽奈良6
▽和歌山1▽鳥取0▽島根0▽岡山1▽広島3▽山口2▽徳島0▽香川0▽愛媛0▽高知0
▽福岡3▽佐賀0▽長崎3▽熊本0▽大分0▽宮崎0▽鹿児島1▽沖縄6▽合計126(毎日新聞)


(2003年12月記す−つづく−)

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